
ふたり読み
読みきかせは学ぶことが愉しいものです。
これまでさまざまな学習会に参加してきましたが、宮崎市内でむぎのほ文庫をされている中武さんとの出会いは強烈でした。まるで夫婦漫才のように『やあ、ともだち!』(ラシュカ・クリス、偕成社、1995年)を2人で読んでいただいたときには、読みきかせの新しい世界が目の前にひろがっていく予感がふくらみました。
ふたり読みは、ボランティア同士だけではなく、先生と読んだり、子どもと読んだりと活動がひろがっていきます。
読みきかせは、子どもたちに一方的に見せるというショーになりがちですが、これからも新たな人と人との出会いとふれあいが生まれるきっかけを大切にしていきたいと想っています。
◆『ぼくのおべんとう』
(スギヤマカナヨ、アリス館、2003年)
◆『わたしのおべんとう』
(スギヤマカナヨ、アリス館、2003年)

絵本の探し方
ここでは絵本の選書という視点ではなく、絵本との出会い方を提案いたします。
読みきかせは、独りでするものでもありませんし、試験でもありません。
- ブラウジング
- チェイニング
- カンニング
- プレゼント
【ブラウジング】
読みきかせにおいて、子どもは文を読むというより、絵を見ています。絵をじっくり見て沸き起こってくるストーリーに耳を傾けておく必要があるのかもしれません。
また、絵本は、声に出して読んでみてはじめてその良さが感じられることもあります。
ブラウジングは、直接書架を見て本を探す方法です。偶然の発見があります。
【チェイニング】
最後に本の題名をもう一度言って読みきかせを終えるのは、子どもたちに絵本を読むだけでなく、もう一度絵本を手にとって図書館を利用してほしいという願いが込められています。
多くの図書館や図書室では、本の題名順に絵本は並んでいるのです。絵本は、背表紙を眺めていてもなかなか出会えないので、絵本を手に取る方法が必要です。
チェイニングは、芋づる式に引用文献や参考文献をたどっていく方法です。
【カンニング】
たとえ時間がなくても、ただ用意された絵本や教えてもらった絵本を子どもたちに読むのではなく、目の前の子どもたちには、自分の目と耳でしっかり選んだ絵本を読みたいものです。
けれども、読みきかせは、どれだけいい絵本を選んだのかを保護者同士や教職員間で競争するものでもありません。
子育てや教育実践を共有する関係を築いていくことができるのかどうかが、読みきかせには問われています。