学生の成長する姿や実習校及び大学側の立場から、分離方式導入の成果が伺えます。
【学生】
H20年度本実習直前アンケートでは、研究期間内に90.1%の学生が児童全員の名前を覚え、実態を生かした学習指導案の作成をほぼ全て完了している。本実習の中で、授業づくりや学級経営における課題を子どもの姿から具体的に把握し、改善しようとする姿が見られる。新たな自己課題を見付けている。
【実習校】
分離方式初等教育実習が実習の質的有効に有効だと回答する実習校が90%を超える。具体的には、「学生の実態を踏まえた指導が観察参加実習及び研究期間からできるようになった」、「教材研究の質的向上が授業場面に生かされている」、「実習生との継続した授業づくりが現場教師自身の問題意識を更新させている」が挙げられる。
【大学側】
大学教員の教育実践への意識が向上した。現職教員と学部生の連携が強化された。臨床的卒業研究が増大した。
分離方式導入の効果として、教職キャリア教育の視座から学生の質を問う評価へとレベルアップしたことが挙げられます。そこから、今後の教育実習に対する課題が挙げられます。
- 実習生の姿から教員養成段階に必要な到達目標及び評価基準を再構築すること
- 大学・実習校・学生の三者の評価観を具体レベルで一致させその活用を図ること
- 学生自ら評価基準を拠り所として、教職に対する気付きや自己目標を更新できるポートフォリオ評価と科目との関連を強化すること
このように分離方式初等教育実習は、学生・大学・学校現場に「質保証」などの新たな課題を生成し続ける点においても効果が伺えます。
■参考サイト・参考文献
◆上越教育大学『特色ある大学教育支援プログラム』 |