教員育成のためのモジュール型コア教材「教育実践編」

これで生徒の発想を活かして仮説設定の指導ができる

仮説設定シート1枚で、生徒の発想が豊かになる

1.
仮説を設定する手立て

仮説を設定する手立て (1分09秒)

仮説を設定する前段階として、課題や疑問を明確にする必要があります。

本事例では、電磁石を利用したクレーンの映像を利用して課題を浮き彫りにしています。その他、自由試行(messing about) を取り入れるのも有効です。その後、課題や疑問を文章で記述させます。

4QS(仮説設定シート)のStep1では、従属変数、Step2では独立変数、Step3では独立変数の変化のさせ方、Step4では従属変数の数量化の手だてを記入します。

最後にStep3とStep4とを関連させて「…すれば…なる」と仮説を書きます。


2.
生徒同士の討論のようす

自由な発想で討論する! (1分42秒)

この段階はブレーン・ストーミングです。

教師も生徒もややもすれば1つの正解を求めようとしますが、そうではなく、従属変数が測定等により数量化が可能であれば、また独立変数が制御可能であれば、どんどん提案させることが大切です。生徒が幼稚な考えではないかとか、間違えているのではないだろうか等の心配をしないでいい場作りが大切です。

また、生徒の考えた従属変数の数量化の方法や気づいた独立変数が科学的に検証可能な内容であれば「いいね〜」と感心したり褒めたりすることが大切です。4QSを用いると生徒を褒める場面が増え、やる気を起こさせます。


3.
生徒の考えをホワイトボードにまとめ、考えを共有する

従属変数と独立変数を関連づけて仮説をたてる (2分45秒)

生徒が自分で考えたことを発表させ、お互いの考えを共有できるようにします。

その際、Step2の独立変数を挙げる段階では、実験条件として制御が可能なものであれば、否定しないですべて貴重な意見として拾うことが大切です。

Step4の従属変数の数量化の手だては、特に独創性が要求されます。教師が想定していなかったような発想が出てきます。中学校の理科室や家庭にある装置や材料で測定等の数量化が可能かという視点で、生徒の考えを取りあげることが大切です。


4.
仮説を検証する実験計画を立てる

仮説を検証する実験の計画立案 (2分09秒)

例えば、仮説を「コイルの巻き数を増やすと電磁石の力は強くなる」と設定したのであれば、巻き数を100回、200回と増やし、くっつくゼムクリップの数を数える、というような見通しをもつことができます。

このような、仮説から演繹する思考を仮説・検証が行いやすい題材で、意図的に行うことが理科における問題解決能力育成において重要です。


5.
実験のようす

実験の実施! (1分44秒)

生徒が自分たちの考えで仮説を設定したことで、追求する意欲が高まります。

また、やらされている実験ではなく、自己責任で追求する実験になります。


6.
実験結果の発表とまとめを共有する

仮説が検証されたかどうかを考察する (1分55秒)

実験結果、つまりデータにもとづいて仮説を検証します。

理科ではデータをもとに仮説が支持されたかどうかについて考えることが大切であることを経験を通して理解させることが大切です。時間にゆとりがあるときには、生徒に設定した仮説、検証する実験方法、実験結果、考察までをプレゼンテーションさせると良いでしょう。

生徒の力で仮説を設定させる段階を入れるだけで、生徒の学習意欲・態度は改善され、そして科学的な問題解決能力が育成されます。PISA(The Programme for International Student Assessment)型学力では、思考プロセスの習得、概念の理解、及び様々な状況でそれらを生かす力が求められています。4QSはPISA型学力の育成につながる具体的な指導の手だての1つとなり得ます。