ここでは「読書へのアニマシオン」作戦No.54「だれが、だれに、何を?」の実践事例を紹介します。

作戦No.54「だれが、だれに、何を?」のねらいと準備
この作戦は、子ども達に物語中のせりふのみを提示して、それは「だれが」「だれに」言ったものなのかを当てさせる活動です。
[ねらい]
せりふを通して、登場人物の生き方や態度、その場面の状況などを創造する力を養います。せりふに注意して物語を読むことで、よりストーリーの核心に迫ることができるようになります。
[準備・必要なもの]
(1)本の準備
物語の本を選び、子ども達に事前に読んでおかせます。
本事例では「エーミールと探偵たち」エーリヒ・ケストナー著(池田香代子訳、岩波書店)を利用しました。
(2)カードの準備
子どもの人数分のカードを用意し、登場人物のせりふを子どもの数だけピックアップしてカードに原文のまま載せておきます。
また教師用のメモには、全てのせりふについて、誰のどういうせりふかを記しておきます。

「作戦」の実践方法
(1)授業の導入
子ども達の意識を物語に集中させるため、まず導入として、読んできた本について、感想などを自由に話させます。

- この後の活動に直接に係わる登場人物やその役割については、あまり触れない
- 自由に話させることで、子どもの関心の方向を知る
(2)カードの配付
一人に1枚ずつカードを配ります。カードは伏せて配り、全員に配り終わるまでは見ないように指示します。
配付が終了したら、一斉にカードを読ませ、書かれているせりふが「だれが」「だれに」言ったものか考えるように指示します。

- ゲーム性を高めるため、カードが全員に配られたところで一斉に見る
- 個人の作業なので、相談はせずに、各自じっくりと考えるよう指示する
- 子ども達の様子を見ながら、適当な時間で切りあげる
(3)せりふ当て
一人ずつ順に、まずはカードに書かれているせりふを読み上げ、次にどの登場人物が誰に言ったせりふかを答えさせます。
答えが合っていたら、どのような状況でのせりふかも答えさせます。
間違っていた場合もしくは答えが分からない場合には、他の分かる人に発表させ、それでも答えが出ない場合には教師が答えます。

- 他の人の発表から自分の解答の手がかりが得られる場合もあることを触れ、他の人の発表を集中して聞かせるようにする