ここでは「読書へのアニマシオン」作戦No.36「物語ではそう言っている?」の実践事例を紹介します。

作戦No.36「物語ではそう言っている?」のねらいと準備
この作戦は、子ども達に物語の文章の一部を変えたものを提示して、記憶を頼りにどこが原文と違っているかを当てさせる活動です。
[ねらい]
どこが違っているのかを考えるためには、文章を注意深く読むことや、状況を正しく思い描くための理解力が求められます。
カードを見ながら自分の読みをふりかえり、友達と話し合って読み方を確認したり考え直したりします。その過程を通して、しだいに表面的な読みから深い読み方ができるようになっていきます。
[準備・必要なもの]
(1)本の準備
物語の本を選び、子ども達に事前に読んでおかせます。
本事例では「こちらマガーク探偵団」E・W・ヒルディック著(あかね書房)を利用しました。
(2)カードの準備
子どもの人数分のカードを用意し、そのうちの半分には、本の中の1段落程度を抜き出し、その一部を適当に変更した文章を載せておきます。(本事例では、これを黒い字で作って、黒カードと呼んでいます)
残りの半分のカードには、物語の文章が書いてあるカードを持っている人と二人組を作るよう指示を書いておきます。(本事例では、これを青い字で作って、青カードと呼んでいます)

「作戦」の実践方法
(1)物語のあらすじ確認
授業の導入として物語の内容を皆で確認するために、子ども達に一人一言ずつ、物語のあらすじを発表させます。

- カードで取り上げた細部には触れない
- 全員に何か一言は発表させて、参加意識を持たせる
- 5分間程度で実施
(2)カードの配付
一人に1枚ずつカードを配ります。カードは伏せて配り、全員に配り終わるまでは見ないように指示し、これから行う活動のルールを説明します。
配付が終了したら、一斉にカードを黙読させます。

- ゲーム性を高めるため、カードが全員に配られたところで一斉に見る
- 子ども達がカードを読んで、この後どうなるのか疑問を持たせて、次のステップへ進む
(3)ペア作り
まずは二人組みを作るように指示します。
カードに二人組みを探すよう指示が書かれている子ども達にパートナーを選ばせます。
パートナー同士は隣り合い、全員で教師の周りに輪のように集まります。

- 教師はあまり介入せず、子ども達が自主的にパートナーを選べるようさりげなく促す
(4)間違い探し
ペア同士で、文章のどこが書き換えられているかと、元の文章はどうであったかを相談させます。

- 子ども達の様子を見ながら、適当な時間で切りあげる