教員育成のためのモジュール型コア教材 「ICT活用編」

学校の情報危機管理

危機にさらされている学校と情報

ゴール

  • 様々な情報トラブルの事例を学び、どのようなことが実際に起こっているか、起きた場合にはどの様に対処したらよいか、そのようなことが起こらないためにはどの様なことに注意しなければならないか、といった点について考えるようになること

1.パソコンの盗難 (1分44秒)、 (2分43秒)

2.メディア紛失 (1分54秒)、 (2分44秒)

3.ファイル交換ソフトによる情報漏えい (2分32秒)、 (2分37秒)

4.ハードディスク破棄による情報漏えい (3分08秒)、 (3分00秒)

1.
パソコンの盗難

パソコン盗難の例 (1分44秒)


盗難からパソコンを守る (2分43秒)


ポイント

  • 盗難にあったパソコンに入っているデータ

【解説】

以前よりは安くなったとはいえ、ノートパソコンはまだまだ高価な機械ですから盗難の対象になっても不思議ではありません。しかし、ここで盗まれたのは「ノートパソコン」だけではありません。無くなったのはそのノートパソコンの中に保管されていたデータであり、そのデータには「児童の名簿、成績」が含まれていた、ということです。

それらのデータの元となる紙に書かれた記録が残っている場合には再入力すれば復旧できます。データがバックアップされていれば簡単に元に戻すことができます。しかし、それで「解決した」と言うわけにはいかないのです。そのデータに含まれていたのは「児童の名簿、成績」です。これは教師が大切に管理・保管しなければならない「個人情報」なのです。それが他人に渡ったということはノートパソコンの盗難以上に甚大な被害をもたらすかも知れません。

むろん、盗難にあった教師は盗難の被害者であっても加害者ではありません。しかし、その教師に手落ちが全く無かった、というとそうではありません。児童から付託された個人情報を盗難の可能性の高い自分の所有するノートパソコンに入れて、それを学外に持ち出し、コンビニの駐車場に放置した、という不注意は責められるでしょう。

ゴール

  • 盗難にあったとき、「モノ」だけでなく「データ」にも気づく


2.
メディア紛失

メディア紛失の例 (1分54秒)


メディアの紛失を防ぐ (2分44秒)


ポイント

  • メディア紛失の可能性

【解説】

パソコンが無くなれば直ぐに気付きます。しかし、データの収納されているメディアの紛失は気付きにくいものです。

昔のフロッピーディスクというのは8インチといってA4サイズの紙くらい大きかったので紛失することは稀でした。それが、5インチ、3.5インチと徐々に小さくなるに従い、紛失率も増えていきました。近年ではフロッピーディスクを使わずに、リムーバルな外部記憶としてUSBメモリを使うことが増えてきましたが、その大きさは益々小さくなって紛失する確率も増し、無くしたと言ってそれを探す時間も長くなってきました。大切なデータの入っているメディアの管理は重要です。

さて、このケースではフロッピーディスクを金庫で厳重に保管していたため、紛失に気付きました。大切なデータの管理としては申し分ありません。しかし、それだけ厳密に管理してもメディアが無くなることがあるのです。

ゴール

  • 今使っているUSBメモリが無くなったら・・・、と想像できる


3.
ファイル交換ソフトによる情報漏えい

情報漏えいの例 (2分32秒)


情報漏えいを防ぐ (2分37秒)


ポイント

  • 情報漏えいは、外から指摘されるまでわからない

【解説】

ここ数年、このようなファイル交換ソフトウェアを通じての情報の漏えい事件が様々な所で生じています。このファイル交換ソフトウェアというのはコンピュータネットワークを通じて、あるパソコンと別のパソコンとのファイルのやり取りを可能にするソフトウェアのことです。もちろん、全てのファイルを交換するわけではなく、利用者が決めたファイルだけをやり取りします。注意しなければならないのは「著作物である音楽ファイルや映像ファイル、コンピュータプログラムを著作権者の了解も無く勝手に交換することは、著作権に触れる行為」ということです。しかし、ネットワークを通じての、そのような違法行為は後を絶ちません。

このファイル交換ソフトウェアを通じてウィルスという悪意あるプログラムの交換もされてしまう場合があります。ウィニーの動いているパソコンがアンチニーという名のウィルスに感染するとパソコン上の全てのファイルが交換の対象にされてしまうことがあります。その場合、この事例のように、パソコンの中にある個人情報の漏えいという事態になります。情報漏えいが起きているのは学校に限りません。自衛隊の機密情報が漏えいした、警察の犯罪情報が漏えいした、刑務所の受刑者情報が漏えいした・・・と、様々な機密情報の漏えいが連日のニュースになって流れてきます。このような漏えい対策として、「情報を持ち帰るな」ということが言われます。

ゴール

  • ファイル交換ソフトウェアを通じての情報漏えいの仕組みを理解する


4.
ハードディスク破棄による情報漏えい

ハードディスク破棄による情報漏えいの例 (3分08秒)


ハーディスクを破棄する際の注意 (3分00秒)


ポイント

  • ディスク破棄の時、注意すること

【解説】

この例の学校では、リースでパソコンを置いていたのでしょう。リース終了後はリース業者が引き取ります。通常ではその時点でハードディスクの内容を全て、消去ソフトウェアを使って完全に消去することになっています。しかし、この例ではそのことを怠った、ということなのでしょう。学校が行なうか、リース会社が行なうか、というのはたいした問題ではありません。完全消去の取り決めがされていなかった、ということの方が重要なのです。

パソコンの不要なデータは「デスクトップのゴミ箱と書かれている所に捨てる」、ことになっています。しかし、ゴミ箱というのは「部屋に置かれているゴミ箱」と同じ意味でして、ゴミ箱に捨てるというのは要らなくなった書類をゴミ箱という特別な場所に移動する、というだけのことです。当然ですがゴミ箱を漁れば捨てられた書類も出てきます。また、「『ゴミ箱を空にする』を選んだからゴミは残っていないはずだ」と勘違いされることもありますが、これではゴミ箱の書類をビニール袋に入れて可燃ごみとして焼却処分したことにはなっていません。それはハードディスクに書かれている書類目録の上から捨てるべき書類だけを消去したというだけのことです。目録から消去されても書類自体はそのままです。

こうしたデータを「買ってくれ」と言ってくるのは、データとして含まれていたのが保護の対象となる個人情報だからです。児童生徒の保護者や住所などの個人情報は通信添削会社や予備校、進学塾が欲しがるでしょう。犯罪をたくらむ人が欲しがるかもしれません。保護者が市に損害賠償請求する可能性もあり得ます。

ゴール

  • パソコンは廃棄された後も責任を負わされることを理解する