教員育成のためのモジュール型コア教材 「ICT活用編」

ICTを効果的に活用した協同学習

受け手を意識した情報発信、情報の共有・交換により教科等の学習を深める

ゴール

  • インターネット掲示板により異なる学校の児童が協同学習を行っている様子を知る
  • 学校間協同学習を進めるためにはどのような準備が必要か知る
  • 学校間協同学習の効果を説明できる

1.学校間協同学習の流れ (5分15秒)

2.学校間協同学習の準備 (2分14秒)、 (3分29秒)、 (1分57秒)

3.児童の声 (5分09秒)

4.教師の声 (2分04秒)、 (1分43秒)、 (2分33秒)、 (2分51秒)

1.
学校間協同学習の流れ

協同学習の流れ (5分15秒)

ポイント

  • 「お米」をテーマとした総合的な学習の時間としての学校間協同学習
  • これまでの成果をまとめて他校の友達に知らせよう
  • 他校の作品を見て、質問・感想を返事として送ろう
  • 他校の友達からの返事を参考に、自分の作品を改善しよう
  • 「スタディノート」のインターネット掲示板機能による情報共有・情報交換

【解説】

本実践は、「お米」という共通のテーマで、活動を続けてきた2校の児童が、自分の活動の成果を作品にまとめ、他校の友達に伝えるというものです。

自分としては完成したつもりの作品を他校の友達に見てもらい、質問や感想を聞くことを通して自分の作品を振り返ったり、他校の作品を参考にしたりして、自分の作品をさらに改善することを直接の目的とした活動です。

この活動は「スタディノート」と呼ばれる学校用グループウェアを活用しており、作品の作成とインターネット掲示板の返信機能による情報交換が可能となっています。

ゴール

  • どのような目的で学校間協同学習が行われているのかを知る
  • 学校間協同学習の流れを説明できる
  • 学校間協同学習のために活用されているICTの機能とポイントを説明できる


2.
学校間協同学習の準備

学校間の打合せ (2分14秒)


学校間の打合せについての教師の声 (3分29秒)


背景となる活動についての校長の声 (1分57秒)


ポイント

  • 2校のクラス担任が十分な打合せをする
  • 2校のどの児童同士を協同学習のペアとするのかを調整
  • 2校の活動の進行状況に関する情報交換
  • 児童への教師からの指示を2校で共通化する
  • 協同学習は共通の活動があれば、より効果を上げることが可能

【解説】

学校間協同学習のために、2校のクラス担任は直接会って、事前に綿密な打合せを行います。また、学習の進行にともない電話等で随時情報交換をする必要があります。

何を共通の課題とするか、誰と誰をペアにするか、児童へ何と指示するか、児童の活動の進行状況によって掲示のタイミングを調整する、など、様々な連絡調整が必要です。

さらに、学校間で協同学習が成立するためには、それに先立つ共通の活動が必要です。それにより、他校の相手に伝えたい内容を持つことができ、また、相手の活動を知ったとき、表面的でない質問や意見が言えるようになります。

この実践では2校が共通して、米作りの活動を行ってきたことが鍵となっています。

ゴール

  • 学校間協同学習を実施するために、クラス担任同士がどのような連携を図ればよいのかを具体的に説明できる


3.
児童の声

児童の声 (5分09秒)

ポイント

  • 自分と同じ考えの人がいることがわかってうれしかった
  • 他校のお友達はいろいろ工夫していて参考になった
  • 質問されたことを、もっと詳しく書きたいと思う
  • 同じ小学生なのに違いがあっておもしろい

【解説】

児童の感想を聞くと、インターネット掲示板を活用した学校間協同学習の効果を知ることができます。

『もっと調べたい』

  • 他校からのいろんな返事を見習っていろんなことを調べていきたい。
  • 事故米について質問された。このことをもっと調べて詳しく書きたいと思った。
  • 他校のは、グラフや内容がいろいろ書けていたので、私もたくさん学んだときにまた情報交換したい。

『違いがおもしろい』

  • 見慣れていない人とやり取りが面白い。なぜなら感じ方が違うから。
  • 同じ小学生でも、見方や考え方が違うところがあってびっくりしたけど、いい発見になった。
  • クラス内では、自分の感想や考えが書いてなかったけど、他校の人たちは自分の考えが書いてあって、そこが違いだと思った。
  • なぜ、それを調べたのですかを聞いたら、その理由を教えてもらえた。

『共感・感心・うれしい』

  • お米に対するありがたみは、二人とも同じように感じていてうれしかった。
  • 他校の友達から良かった点をほめてもらえてうれしかった。
  • 知らない人だけど、自分の気持ちを伝えられてよかった。
  • 他校の友達は感想がいっぱい書けていてすごかった。
  • 近くの人だったら「へーそうなんだ」と思うだけだけど、知らない人と同じテーマを調べて交換できるのはうれしく感じた。

ゴール

  • 学校間協同学習の効果を児童の声から説明できる


4.
教師の声

教師の声1 (2分04秒)


教師の声2 (1分43秒)


校長の声 (2分33秒)


副校長の声 (2分51秒)


ポイント

  • 相手を意識した情報発信
  • 自分では完成と思っていた作品について、他校からの意見を聞いて改善したくなった児童がいる
  • 伝えることの喜び、返事が来ることの喜び
  • 新たな視点をもつことができる
  • 一度学校間協同学習を経験した児童は、必要なときにまた協同学習をやりたいと言い出すだろう

【解説】

学校間協同学習を体験した教員は次のような感想を述べています。

『学習意欲を向上させる』

  • 協同学習を予告しただけでとても楽しみにし、学習意欲が向上した。
  • またやりたいという声が子どもたちから出てくることが楽しみだ。
  • 市外、県外、海外の子どもとのやり取りができれば、一層意欲が高まる。

『相手を意識して表現できる』

  • 普段は馴れ合っているから簡単に伝わってしまうことも、他校へ文字と写真だけで伝える難しさを感じたようだ。
  • 伝えることの楽しさを感じたし、返事への期待も大きかった。
  • 広い立場の中から情報を選択することに効果的である。しかも、大人の言葉でなく、子どもの言葉で表現された情報を受け取ることで理解が深まる。
  • クラス内の子ども同士では、省略した表現でも通じてしまう。他校だと場が違うから、まず状況説明をしなければならない。誤解されないように言葉を選ばなければならないので、表現力がつく。相手を意識した表現になる。
  • 自分がわかるということは相手に対する理解を含むわけで、表現と理解が一体となる活動であった。

『新たな視点で考えられる』

  • 他校の別の目線で見てくれたり、アドバイスをくれ、それに応えようとすることで、新しい目線が自分に入ってきた。
  • 普段気づけないことに気づけたことがよかった。
  • 普段の学級の文化の良さはあるが、馴れ合いや暗黙の了解になってしまいがちなところに、他校から新しい空気を入れてもらえる、新たなものを感じさせてもらえる。
  • 意味ある場が設定された、意味ある活動を基にした言語活動により、思考力が育つのだと思う。

『学習活動・まとめの改善につながる』

  • 学習のまとめを誰かに見てもらう経験は今まであまりなかったが、アドバイスを活かして人に認めてもらえるような作品を作りたいという気持ちが生まれた。
  • 自分の間違いに気づき修正していくことにつながった。
  • 子どもの質問は、質を高める、本質に迫る「問い」であった。
  • 遠隔協同学習の良さを気づいた子どもは、今後、自分の考えをまとめたとき、それを公に出して、意見を求め、より良いものにしていきたくなるきっかけになった。
  • 教員の仕事は、子どもが自分の考えを公に出して意見を聞いてみようと思ったときに、それに応えられる環境を整えること。
  • 内容よりも、学び方を学んでいる姿を子どもから感じた。

ゴール

  • 学校間協同学習の効果を教師の声から説明できる