教員育成のためのモジュール型コア教材 臨床編

教師のためのソーシャルスキル

教師の人間力を高め、児童生徒との信頼関係を築くのに必要な人間関係づくりの技術

1.
教師のソーシャルスキルの基本
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教師は、常に温かく、安定した態度で子ども達に接することが大切です。そのために、下記のことを心がけましょう。

  • 身だしなみを整えること
  • 場面にふさわしい、豊かな表情
  • 明るく、はっきりとした声
  • 学級全体に向かって話すときも、一人ひとりに温かな視線を向けながら話す
  • 大切な話は、子どもの注意を引きつけてから話す

<教師の心がけ>


2.
子どもと温かい人間関係を結ぶ
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子ども達にとって、教師はある意味で絶対的な力を持つ存在です。教師と子どもの関係に関して子ども達が最も関心を持ち、教育効果の大きさに最も重大な影響を及ぼす要因は、子ども達から見て、「自分が教師から受け入れられているかどうか」ということです。

教師は、子ども達に対して、子どもに分かる言葉で、「この出会いを喜んでいること」、「これからの触れ合いを楽しみにしていること」、「心から子ども達を受け入れ、愛していること」を具体的に伝えましょう。

それにはどんなやり方があるでしょうか? あなたの言い方を考えてみましょう。

<どんな言い方が考えられますか?>


3.
子どもの話の聞き方と共感の示し方
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教師が自分の話をどのくらい聞いてくれるかということは、子どもにとって重要な関心事です。

ここでは、教師がさまざまな子ども達の話を聞くときに気を付けるべきポイントについて考えましょう。

ポイント

−聞き方のポイント−

  • 作業の手を止めて、子どもに顔を向け、穏やかな表情で聞く
  • すぐに聞いてあげることができないときは、後で必ず聞くようにする
  • 先入観を持たずに聞く
  • 子どもの言葉の裏にある、「そのように言ってしまう、その時のその子どもの心理状態」を考えながら、最後まで一通り、批判せずに聞く

<話を聞く際の注意点>

−共感の示し方のポイント−

  • 子どもの気持ちを受けとめたことを確実に伝える
  • 子どもの感情と教師自身の立場とを区別する
  • 自殺や他傷の願望など、子どもが話した内容に問題がある時には、教師はあくまでも子どもを守るのだという立場を表明しつつ、話した内容の行動を確実に制止するとともに、そのような子どもの言葉の裏にある感情を理解してあげる
  • 場合によっては、教師の経験談などをしてあげることも役に立つ
  • 子どもが辛い経験を話した時は、その辛さを十分理解してあげた上で、辛さに耐えている子どもの勇気と忍耐力が尊いものであり、教師は子どもの忍耐を評価し、応援していることを伝える
  • 子どもが喜びを表現したときは、どんなに些細なことであっても、教師も笑顔を見せて、喜んでいることを表現する
  • 子どもによっては、励ます言葉を控えた方がよい場合がある

<共感を示す際の注意点>


4.
ほめ方
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教師にほめられることは、子どもにとって、とても嬉しく、新たなやる気が出てくるものです。ここでは、ほめ方のポイントを説明します。

  • 自分の行動のどの部分をほめられたのかが、子どもに分かるように、具体的に指摘する
  • にこやかな笑顔で、子どもとアイコンタクトしながらほめる
  • そのことで教師自身もうれしい気持ちであることを伝える
  • 問題行動を示す子どもやクラスの中で目立たない子どもに対しては、普通の行動(その学年の子どもにとっては、当然できることが期待される行動)をしている場合でもほめてあげる
  • 不安の強い子どもに対しては、過剰にほめない

<ほめる際の注意点>


5.
叱り方
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叱るという行為は、不適切なやり方をすると教育効果がないだけでなく、子どもを傷つけてしまったり、教師と子どもの人間関係を傷つけ、以後の指導を困難にしてしまいます。ここでは、叱り方のポイントを説明します。

  • 何を叱られたのかが子どもに分かるように、具体的に指摘する
  • 行動のみを指摘し、子どもの全人格を否定する言い方をしない
  • できるだけ行動の直後に叱る
  • 過去の失敗を蒸し返して、くどくどと叱らない
  • 叱った直後に子どもの機嫌をとらない
  • 何が悪かったのか、これからどうすればよいのかを、子どもに言わせる
  • どなったり、乱暴な口調でなく、穏やかではあるが毅然とした口調で言う
  • 今後の子どもの行動に期待し、温かく見守っていることを伝える

<叱る際の注意点>