教員育成のためのモジュール型コア教材 臨床編

発達障害がある不登校児童・生徒への援助

メンタルフレンドとしての学生による支援の可能性

1.
幼児期の理解と対応
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ポイント
  • 3歳児健診前後で、人への関心はあるか、ことばの獲得や発達の遅れはないか、感覚過敏はないかを確認する
  • 保育所・幼稚園で、集団行動がとれるか、対人関係はよいか、問題行動がないか、こだわりはないかをみる

<A子の幼児期>

参考事例

対人関係に困難さがある子どもの理解と対応


2.
小学校低学年時期の理解と対応
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ポイント
  • 発達障害があると、小学校低学年から「登校しぶり」を見せることが少なくない
    この場合、学習困難なためか、友人関係のためか、集団行動ができないためか、見定める
  • 発達障害がある児童は不安の処理が弱いので、パニック(大声や情緒不安)をみせたり、何かのこだわりがあったりする

<A子の小学校低学年時期>

関連するコア教材

学習が困難な子どもの理解と対応

落ち着きのない子どもの理解と対応


3.
小学校高学年時期の理解と対応
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ポイント
  • 前思春期になると、自己と他人との違いを意識し始める
  • 発達障害があると、ことばを辞書どおりに受け取り、本音と建前の区別がつかない、他人の感情に対する共感が行われにくい
  • 対人関係がつくれずに引きこもり、連続的な不登校が始まることが少なくない
  • 自分の感情をどの程度表現できるか、コミュニケーション能力を確かめること
  • 発達障害が疑われた場合、専門家にリファーする

<A子の小学校高学年時期>

関連するコア教材

学校外相談機関と学校教師の連携


4.
中学校時期の理解と対応
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ポイント
  • 思春期では、発達障害があると他の生徒との差が歴然とするので、速やかに専門医にリファーする
  • 親に障害特性を理解してもらう働きかけを行う
  • 得意なものを生かして発達障害の二次障害に対処する
  • 少人数学級や適応指導教室の活用

<A子の二次障害>


5.
A子のイメージ表現
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ポイント
  • A子は言語による表現は得意ではないので、カウンセリングの中で絵画や箱庭で表現してもらうこともあった
  • A子の風景構成法では、現実的な世界と関係が持てずに、引きこもり傾向が強く、自己の発達が遅く家から離れない状態を示した

<A子の風景構成法>

  • A子が中学校2年の後半に、箱庭療法(月1回ペース)を行ったが、砂遊びを楽しみ、彼女らしい強迫的なデザインを表現した
    感情の表現は乏しかったが、高校進学のイメージが固まった

<A子の箱庭表現>

関連するコア教材

対人不安で教室に入れない中学生に対する箱庭療法


6.
メンタルフレンドの学生による支援
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ポイント
  • メンタルフレンドは、学習指導や遊びをとおして子どもに寄り添い、子どもの対人関係が広がるように支援する学生のこと
  • 発達障害が重度であると、学生のメンタルフレンド活動は難しいが、高機能であれば、教員の指導の下で可能である
  • 通常は児童生徒の不安が強いので、家庭に訪問し、子どもの得意な部分をのばす援助を行って、社会的スキルや自尊心の向上を目指す

<A子のメンタルフレンド活動>

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学生による不登校児童生徒への支援