教員育成のためのモジュール型コア教材 臨床編

学習が困難な子どもの理解と対応

学習障害(LD)児を中心とした行動支援のポイント

1.
学習障害とは
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【考えよう】

  • 知的発達や全体的な発達に遅れがないか?
  • 他の障害や環境的な要因はないか?
  • どのような困難さがあるのか?

【ゴール】

  • 実態把握をし子どものもつ困難さについて理解すること
  • 特性に応じた適切な支援方法を考えること
  • 校内支援体制の充実が大切であること

【ポイント】

  • 学習障害という基本的症状と心理・行動的特徴を区別すること
  • わかりやすい授業づくりや学級経営が重要であること
  • 校内支援体制の充実が大切であること

【まとめ】

  • 保護者、専門機関、専門家チーム、特別支援学校等と連携すること

<学習障害の定義>

<気づきの理解(スクリーニングとアセスメント>


2.
読むことの困難さ
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【考えよう】

  • 文字の形が見分けにくい?
  • 読むところに集中しにくい?
  • まとまった言葉として捉えられない?

【ゴール】

  • 似た形を区別すること
  • 読むところに集中すること
  • 音節を意識すること

【ポイント】

  • 形はめパズルなどで形の区別を練習すること
  • 定規をあてて読むなどわかりやすく示すこと
  • 音節ごとに区切って線を引き、読むこと

【まとめ】

  • 教科書拡大コピー、線を引く等読みやすい工夫をすること

<読字障害の診断基準(DSM−IV−TR)>


3.
書くことの困難さ
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【考えよう】

  • 書字動作がうまくいかない?
  • 漢字の構造を覚えられない?
  • 書く内容をまとめる力が弱い?

【ゴール】

  • 書字動作をスムースにできること
  • 「へん」と「つくり」の構造に慣れること
  • 話したことを短い文章にすること

【ポイント】

  • 手指、腕を使っての空書きしたり、升目を利用すること
  • 漢字カルタで構造を覚えること
  • 口述筆記をし、書き写させること

【まとめ】

  • 書くことへの抵抗感を和らげる工夫をすること

<書字表出障害の診断基準(DSM−IV−TR)>


4.
計算することの困難さ
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【考えよう】

  • 数の概念が不十分?
  • 二桁以上の数字の書き方が不正確?
  • 位置関係がとらえられない?

【ゴール】

  • 数の概念を習得すること
  • 数字を正しくきちんと書くこと
  • 筆算の位置を正しく書くこと

【ポイント】

  • 具体物を操作しながら数概念を学ぶこと
  • 繰り返し、数字を正しく書く練習をすること
  • 升目や色別にして筆算の位置を覚えること

【まとめ】

  • 基本的な概念や計算の習得とミスを防ぐ工夫をすること

<算数障害の診断基準(DSM−IV−TR)>


5.
推論することの困難さ
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【考えよう】

  • 文章の意味を読み取れない?
  • 順序立てて考えることが苦手?
  • 式を立てることができない?

【ゴール】

  • 文章題の意味を理解すること
  • 2段階以上の論法に慣れるくこと
  • 式の立て方に慣れること

【ポイント】

  • 問題文の要点や重要な言葉に印をつけて読むこと
  • 問題文を図や絵、具体物で示すこと
  • 単純な問題から式を立ててみること

【まとめ】

  • 推論の手助けとなる補助手段の工夫をすること

<学習障害の定義の解説より>


6.
二次的障害を防ごう!
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【考えよう】

  • 自分のことを理解できず困っている?
  • 友人たちも相手の行動の意味を理解できず困っている?
  • クラスがまとまらない?

【ゴール】

  • 自分のことを知ること
  • 人間の多様さを知り、相手を理解すること
  • クラス集団を育てること

【ポイント】

  • 保護者や教師等の支援で自己理解を深めること
  • 個々の違いを大切にすることに気づくこと
  • ひとりひとりが安心でき、自己発揮できるクラスであること

【まとめ】

  • 自己理解、他者理解、相互理解を深める工夫をすること

7.
レッツトライ!特別支援教育してみよう
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特別支援教育の推進

●趣旨:

障害のある児童生徒などの教育について、従来の「特殊教育」から一人一人のニーズに応じた適切な指導及び必要な支援を行う「特別支援教育」を推進すること

●特別支援教育の推進:

  • 校内委員会を学校運営組織に位置づけ、設置すること
  • 特別支援教育コーディネーターを校務分掌に位置づけ、指名すること
  • 通級指導教室の活用や特別支援学級教員との連携を図ること
  • 特別な支援を必要とする児童生徒に関する「個別の指導計画」や「個別の教育支援計画」を作成すること
  • 専門家チームや巡回による指導、特別支援学校のセンター的機能、専門機関等とも必要に応じて連携を図ること

8.
レッツトライ!個別の教育支援計画

山梨県教育委員会

PDFファイル PDFファイル
個別の教育支援計画A 個別の教育支援計画B
PDFファイル
個別移行支援計画  

●趣旨:

教育、医療、福祉・保健、労働等が連携協力し、障害のある子どもを生涯にわたり支援する「個別の支援計画」のうち、学齢期に対応する支援を実施するためのツール

●作り方:

(1)実態把握

(2)実態に即した目標の設定

(3)具体的な教育的支援内容の設定

(4)実施

(5)評価(作成にあたって保護者の積極的な参画が大切)


9.
レッツトライ!個別の指導計画

山梨県教育委員会

PDFファイル
個別の指導計画  

●趣旨:

個別の教育支援計画を踏まえ、教育課程を個々の子どもの教育的ニーズ(障害の程度等)に応じて具現化できるよう、指導目標、指導内容・方法等を個別に立案した指導計画

●作り方:

(1)実態把握(つまずきの分析)

(2)実態に即した指導目標を選択し、設定

(3)具体的な指導内容・方法の設定

(4)支援体制の設定

(5)実施

(6)評価(作成にあたって保護者の積極的な参画が大切)