教員育成のためのモジュール型コア教材 臨床編

落ち着きのない子どもの理解と対応

注意欠陥多動性障害(ADHD)児を中心とした行動支援のポイント

1.
注意欠陥多動性障害(ADHD)とは
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注意欠陥動性障害(ADHD)
(Attention Deficit/Hyperactivity Disorder)

  • 診断基準は、不注意、多動性、衝動性という三つの行動
  • 診断のポイント
  • 7歳未満の発症
  • 学校や家庭など2つ以上の状況(場面)で不注意、多動性、衝動性の困難さがみられること

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ADHDのタイプ分類

ADHDと言っても、症状は一つではなく、以下の三つのタイプに分類される。

(1)混合型

(2)不注意優勢型

(3)多動性−衝動性優勢型


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原 因

前頭葉の機能障害が指摘されており。特に、その機能と関連する脳内物質のドーパミンやノルアドレナリンの関与が考えられている。

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出現率

一般に学齢期で3〜7%と言われているが、アメリカでは14〜19%という報告がある。男子に多いと一般に言われている。

【考えよう!】<様々な障害があるなかで判別や診断は難しい>


2.
気づき・発見と理解
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【理解して!】「わかっているけど実行できない」つらさ

  • 技術や知識の欠如ではなく、それら知識を用いて、計画を立てたり、系統立てて考えたり、行動を管理する「実行機能」の欠如である。
  • 逆に新奇な刺激・場面では行動上の問題は目立たない

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【気づき・発見のポイント】

注意力を維持しにくい、じっとしていられないなどの特徴から、社会的ルールが増加する小学校入学前後に相談されることが多い。

幼児期には、欲求や行動をコントロールする力が未熟であるため、こうした傾向をあらわす健康な子どもも多いが、通常は加齢と共にその傾向は軽減される。落ち着きのなさや多動が抑制できないため、学習や対人関係面で決定的な問題となる場合に発見される。同年齢集団のなかでの行動観察による相対的評価が必要となる。

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【さらに掘り下げてみて!】<ADHDに関連した作品>


3.
支援や対応のポイント
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●ADHDへの薬物療法

ADHDの原因はまだはっきりとわかっていないが、脳の中で「抑制、制御」をつかさどる神経伝達システムに原因があるのではないかといわれている。このシステムに深く関与しているのは、主に「ノルアドレナリン」「ドーパミン」と呼ばれる物質であると考えられている。原因療法ではなく、対症療法として薬が使用されている。多動などの行動のコントロールを目的としたもので、服用には医療機関と十分に相談すること。


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●ADHDへの支援の枠組み

(1)周囲の環境の整備

(2)注意集中をコントロールする

(3)本人の集中力にあわせながら活動を設定する


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●ADHDの対応の原則

  • すぐほめる
  • たくさんほめる
  • 大げさにほめる
  • 罰よりはごほうび
  • 一貫性をもって取り組む(どんな時間、場所、状況でも)
  • 問題が起こりそうな状況を予測して、常に予防に努める

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●ADHD児の二次的な問題を引き起こさないために

ADHD児のなかには、いつも叱られたり、仲間はずれ、自分は何にもできない存在だと自己肯定感が低い子どもがいる。いっそう行動障害をエスカレートさせたり、悩みすぎて気分障害などを起こしてしまうケースがある。

みんなの前で教師が誉めてあげる、必要ならば、本人ときちんとつきあってあげる場所や時間を確保して、学習や活動への達成感を味わえるようにしてあげる。

【効果的な実践から!】
<【PDF】 霜田浩信専任講師(文教大学)の実践から>


4.
レッツトライ!特別支援教育してみよう
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ADHD児への支援といった特別支援教育は、保護者や専門機関との連携が重要なKEYになってくる。

【理解しよう!】◇保護者の抱える問題をさぐる


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【取り組もう!】◇面接相談の進め方と専門機関などとの連携

教育相談の進め方には、「本人」→「保護者」→「専門機関との連携」がある。


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【取り組もう!】◇医療機関や専門機関との連携のとり方

※専門機関には以下のようなところがある。

病院(児童精神科、小児神経科)、教育相談センター(教育委員会の相談室)、保健センター、精神保健センター、子ども家庭支援センター、児童相談所、発達障害者支援センター、障害者福祉センター(子ども発達支援センター)、福祉事務所、大学等研究機関の特別支援教育関連センター