
クラスの雰囲気に目を向ける

いじめの早期発見のためには、日頃から子どもたちの学校生活、クラス運営における雰囲気の変化に目を向けることである。特に、始業前・休憩時間・掃除の時間などに感じる、クラス内の違和感をそのままにしないことが肝要である。

潜在しているいじめ発見のポイント
- しらけた雰囲気を感じる
- 子どもの笑顔が消えた
- コソコソ話が増えた
- 子どもが話しかけてこなくなった
- 教師の問いかけに、ごまかす返答が増えたなど

クラスの実態を把握する

クラスにいじめが存在するかを確認するために、観察など教師の主観に基づく実態把握を行うと共に、アンケートなどを実施する。

- 直接、「いじめに関するアンケート」などという名称を使わず、「学校生活向上に関するアンケート」などとする
- 結果は、公表しないことなどを伝え、安心感を持たせる

「いじめ」への対応(1) − 校内連携

学年主任また校長・教頭に報告を行う。そして、学年また校内において、共通理解・校内連携を取り、「いじめ」対策のチームを立ち上げる。
いじめられている子どもについての事例検討を継続して行う。その際、情報過多で収拾がつかなくなる事態を避けるため、「事例検討ワークシート」などを用いると良い。


「いじめ」への対応(2) − 子どもとのリレーションづくり

担任教師や教科担任は、朝や帰りのあいさつ、問いかけと発表またこまめな机間指導など対話のある授業など、子どもたちとのコミュニケーシヨンに努める。

- 必ず、子どもの名前を呼びながら話しかける
- 特定の子どもだけでなく、満遍なく子どもに問いかける
- 正答ではなく、オープンクエッションにより子どもの自由な発想を引き出す発言を促す
- 受容の態度で話しかけ反応する

「いじめ」への対応(3) − 心理教育の実施

[全体対応]
担任教師は、学級活動などの時間を利用し、心理教育(構成的グループエンカウンター、人間関係作りゲーム、ソーシャルスキルトレーニング)などを継続して行う。
その他、保健委員会ではピア・サポート活動の第一段階としてのピア・サポーター養成プログラムを実施する。

- 心理教育は、レクリエーションとは異なり、ねらい(目的)を要する活動である。したがって、クラスの実態により、求められるねらい・それにいたるステップ・用いるエクササイズを検討する必要がある
- 今日のいじめは、「いじめる側」「いじめられる側」「いじめをはやし立てる者」「傍観者」の4層構造をなしているといわれる。心理教育を通して、特に「はやし立てる者」「傍観者」に当事者意識を持つよう促す
- 心理教育を通して、自他を認め合うよう促すと共に、いじめは「よくない」、「許さない」というメッセージを明確に伝える

「いじめ」への対応(4) − 個別対応 その1

[個別対応]
いじめの事実を確認した場合、いじめられている生徒への個別面談を継続して行う。その際、第一段階として、事実の確認、不安や悩み、恐れなどの鬱積した感情を表出するよう促す。その際、教師は受容・共感の態度に徹する。

- アンケートでの回答を媒介にすると、スムーズに内容に入りやすい
- 親身に傾聴する
- 受容・共感の態度を示し、教師が味方であることを感じさせるよう配慮する